Twist4Beats

Twist4Beats vol.5

　現在火星時間21:22。
「さあ！今日の任務も終わったことだし、これから晩飯にするとしよう！もう腹ぺこだ！」
NASA火星調査ユニットのリーダー、サイモンはクルーのメンバー呼びかける。
「ちょっと待って、ユウジがさっきから見当たらないの。無線にも反応しないわ。」
答えたのは唯一の女性飛行士のシンディー。
「なんだって！？ジムで昼寝でもしてるんじゃないのか？」
「そうかもしれないわ。ちょっと叩き起こしてくる。」
「ああ頼む。日本人は勤勉ではなかったのかって話だよ。俺は皿の準備をしておくよ。」
サイモンが口笛を吹きながらクルーの人数分の皿をテーブルに置いていると
「サイモン！！今すぐ来て！！」
シンディーが突然叫んだ。
「なんだなんだ！？」
ただならぬシンディーの様子に少し戸惑いつつも食事から遠ざかることに苛立ちながらサイモンが駆けつけると、ひどく肩をすくめたシンディーが立ち尽くしていた。
「サイモン、見て...。」
シンディーの震える背中の先には
八つ裂きにされたユウジが真っ赤な床の中央に転がっていた。